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相続でよくあるトラブルとは (2026.06.01)

 

相続が発生すると、遺産の分け方や遺言の内容をめぐり、親族間でトラブルが生じるケースは少なくありません。
遺言が不公平だと感じる場合や、介護の貢献を評価してほしい、生前贈与を考慮すべきといった主張が対立の原因となります。
本記事では、相続で起こりやすい代表的な4つのトラブルと、その法的な解決方法についてわかりやすく解説します。

 

遺贈・生前贈与によって不公平が生じた場合の遺留分侵害額請求

遺言や生前贈与によって特定の相続人に偏った財産配分がなされると、不公平感からトラブルに発展することがあります。

このような場合に問題となるのが遺留分侵害額請求です。

 

遺留分侵害額請求とは

遺贈や生前贈与により特定の相続人だけが多くの財産を取得した場合、他の相続人は遺留分侵害額請求できる可能性があります。

遺留分とは、民法1042条で定められた一定の相続人に保障された最低限の取り分です。

対象となるのは配偶者や子、直系尊属であり、兄弟姉妹には認められていません。

 

請求の方法と期限

遺留分侵害額請求は、民法1046条に基づき金銭で行う請求です。

請求は、相続の開始および侵害を知った時から1年以内、または相続開始から10年以内に行う必要があります。

通常は内容証明郵便で意思表示を行い、話し合いで解決しない場合は家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

 

介護等の貢献を主張する際の寄与分・特別寄与分

被相続人への貢献度をめぐって、相続人間で意見が対立することもよくあります。このような場合に問題となるのが寄与分や特別寄与分です。

 

寄与分の認定要件

被相続人の介護や事業への協力など、特別な貢献をした相続人は、民法904条の2に基づき寄与分を主張できます。

認められるためには、無償またはそれに近い形で療養看護や財産の維持・増加に貢献したことが必要です。

たとえば、自宅で長年介護を行った場合や、事業を無償で手伝い財産の増加に寄与した場合などが該当する可能性があります。

寄与分が認められると、通常の相続分に加えて追加の財産を受け取ることができます。

 

特別寄与分制度の新設

民法1050条により、相続人以外の親族にも特別寄与分が認められるようになりました。

たとえば、長男の妻が義父の介護を担っていた場合などに、特別寄与料を請求できる可能性があります。

請求期限は相続開始を知った時から6か月以内であり、対象は一定範囲の親族に限られます。

協議がまとまらない場合は、家庭裁判所で判断されることになります。

 

生前贈与が相続財産に持ち戻される特別受益

生前に特定の相続人だけが多額の贈与を受けていた場合、遺産分割の公平性をめぐってトラブルが生じることがあります。

このような場面で問題となるのが特別受益の扱いです。

 

特別受益の考え方

被相続人から生前に住宅購入資金や事業資金の援助を受けていた相続人がいる場合、その利益は民法903条の特別受益として扱われます。

特別受益に該当する財産は、相続財産に加算して相続分を計算することで公平性を図ります。

たとえば、長男が1000万円の贈与を受けていた場合、その金額を含めて遺産分割を行います。

 

持ち戻し免除の意思表示

被相続人が持ち戻しを免除する意思を示していた場合には、特別受益の調整を行わないこともあります。

ただし、この場合でも遺留分を侵害することはできません。

また、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産の贈与があった場合には、免除の意思が推定される制度もあります。

 

前妻との間に子がいるケースなど複雑な相続人関係における遺産分割

相続人の範囲が複雑になると、誰がどの程度の遺産を取得するのかをめぐって争いが生じやすくなります。

特に前妻との子がいる場合などは、相続関係の整理が重要となります。

 

相続人の範囲と相続分

民法887条により、被相続人の子は前妻の子も現在の配偶者との子も同等の相続権を持ちます。

たとえば、配偶者と子3人の場合、配偶者が2分の1、子が残りを均等に分ける形となります。

正確な相続人を確定するためには、戸籍謄本を確認することが不可欠です。

 

遺産分割協議の進め方

相続人が多い場合や関係が疎遠な場合、協議がまとまらないこともあります。

その場合は家庭裁判所の調停を利用し、合意形成を図ることができます。

調停でも解決しない場合は審判に移行し、裁判官が最終的な判断を下します。

 

まとめ

相続では、遺留分侵害額請求、寄与分・特別寄与分、特別受益、複雑な相続人関係など、さまざまなトラブルが生じる可能性があります。

これらは法的要件や期限が細かく定められているため、適切に対応しなければ権利を失うおそれがあります。

特に遺留分侵害額請求は1年以内、特別寄与料は6か月以内といった期限があるため、早期の対応が重要です。

相続に関する不安や疑問がある場合は、弁護士に相談しながら適切な解決策を検討することが望ましいでしょう。