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相続放棄とは?期限や注意点などについて解説 (2026.04.17)
相続が発生した際、被相続人の借金などマイナスの財産を引き継ぎたくない場合には、相続放棄という手段があります。
今回は相続放棄とはどんな手続のことなのか、また期限や注意点などについて解説します。
相続放棄とは?
相続放棄とは、民法第939条に基づき、相続人が被相続人の権利義務を一切承継しないとする手続きです。
相続財産には、不動産や預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金や未払金、保証債務などのマイナスの財産も含まれます。
相続放棄をせずに相続を承認した場合、これらの債務についても原則として相続人が承継し、弁済義務を負うことになる点に注意が必要です。
一方、相続放棄を行えば、初めから相続人ではなかった扱いとなるため債務を承継せずに済みます。
相続放棄は、相続人同士の話し合いや口頭での意思表示だけでは、法律上の相続放棄としては認められません。
家庭裁判所へ申立てを行い、承認を得る必要があります。
相続放棄の期限
相続放棄には原則として3か月の期限があり、自己のために相続の開始があったことを知った時から起算されます。
通常は、被相続人の死亡を知り、自分が相続人であると認識した時点から3か月です。
期間内に相続放棄をしなければ、単純承認したものとみなされ、プラスもマイナスもすべて承継することになります。
ただし、財産調査に時間を要するなどやむを得ない事情がある場合は、家庭裁判所に申立てを行い、熟慮期間の伸長が認められることもあります。
期限が迫っている場合や財産状況が不明な場合には、早めの対応が重要です。
相続放棄の手続き
相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書を提出して行います。
申述書のほか、被相続人の住民票除票や戸籍附票、申述人の戸籍謄本などが必要です。
家庭裁判所が要件を満たしていると判断すれば、相続放棄は受理されます。
受理されると、申述人は初めから相続人でなかったものとみなされます。
相続放棄の注意点
相続放棄を検討する際には、いくつかの重要な注意点があります。
対応を誤ると、放棄が認められなくなる可能性があります。
単純承認とみなされる行為
民法第921条第1号により、相続財産を処分すると単純承認とみなされます。
たとえば、預貯金を引き出して使用したり、不動産を売却したりする行為が考えられます。
ただし、財産の保存行為など一定の場合は例外とされます。
相続放棄の撤回不可
民法第919条第1項により、いったん相続放棄をすると撤回できません。
これは熟慮期間内であっても同様です。
後から多額のプラス財産が見つかっても、相続放棄を取り消すことはできません。
詐欺や強迫、錯誤などにより相続放棄をした場合には取消しが認められるケースもありますが、立証が難しいためほとんど困難といってよいでしょう。
相続放棄は重大な決断であるため、十分な財産調査と慎重な判断が必要です。
弁護士に依頼した方が良いケース
相続放棄は自分で行うこともできますが、状況によっては弁護士に依頼した方が安全です。
相続人全員が放棄する場合
相続人全員が相続放棄をすると、相続財産を管理する人がいなくなります。
その場合、家庭裁判所に相続財産清算人選任申立をした方がいい場合もあります。
相続財産清算人は、財産の管理や清算を行う役割を担います。
選任の申立ては手続きが複雑で費用もかかるため、専門家の関与が望ましいといえます。
弁護士に依頼すれば、一連の手続きを適切に進めることができます。
被相続人の所有する不動産に居住している場合
相続放棄後も、相続放棄時に現に占有している財産については管理義務が残ります。
令和5年の民法改正により、管理義務は占有している場合に限定されましたが、一定の責任は負います。
管理を怠り損害が生じた場合、責任を問われる可能性があります。
このようなケースでは、弁護士に相談し適切な対応を取ることが重要です。
まとめ
相続放棄は、借金などの負債を承継しないための重要な手続きです。
3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があり、期限を過ぎると単純承認となります。
また、財産を処分すると単純承認とみなされ、いったん放棄すると原則撤回できません。
相続人全員が放棄する場合や不動産に居住している場合などは、慎重な対応が求められる場合があります。
相続放棄を検討している方は、弁護士にご相談ください。
